15%案には20基の新規原発(原発新設)が必要  2012_8_3

2030年の原発比率「0% or 15% or 20~25%」の3択が議論されている。ここでは「15%」の意味を考察。

年毎原発残存数

上の図は、現存する50基の原発(*1)が40年で廃炉になって行くとして、将来どのように減って行くかをグラフにしたもの。

単なる計算なので、再稼動があり得ないと思われる福島第一の5号機・6号機も40年稼動するとし、40年を待たずして圧力容器の脆性劣化が懸念されている玄海1号機や高浜1号機も40年稼動するとした。

認可出力合計

上の図は、認可出力の合計値がどのように減って行くかをグラフにしたもの。福島第一の事故前2009年の稼働率は65%(*2)、1年は8,760時間なので、1年間の発電量は、認可出力合計に「0.65×8,760」を掛けたものとなる。

原発発電量比率

上の図は、各年の年間発電量を2009年の年間電力使用量「9,000億kWh(*3)」で割った「原発発電量比率」。2030年の原発比率は12%で、現存する原発だけでは15%にならない。

15%の比率になっているのは2026年で、2026年の原発数は25基。つまり、15%を維持するには25基の原発が必要。2030年の原発は18基なので、7基の新規原発を稼動させる必要がある。

それだけでは済まない。2037年の残存数は5基なので、20基の新規原発(原発新設)が必要となる。15%が妥当と思う人はこのことを理解しているのだろうか?


*1:平成21年版原子力白書資料編(内閣府原子力委員会)より
*2:平成23年2月15日付(社)日本原子力産業協会資料「わが国原子力発電所稼働率の低迷と今後の課題」より
*3:資源エネルギー庁エネルギー白書2011より
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