PDFはバリアブルフォントが苦手らしい

2025.8.9記

2025年4月の Windows Update時に「Noto Sans JP」と「Noto Serif JP」フォントが自動的にインストールされた。Webサイトの標準フォントとするのが目的のようで、それはそれでよいのだが、このフォントを使った文書をWordなどからPDFにエクスポートすると、とんでもないサイズになってしまう。インストールされたフォントがバリアブルフォントであることが原因のようだ。

上図(スクリーンショット)のWordサンプル文書をフォントのみを替えて、Microsoft Wordと LibreOffice WriterでPDFにエクスポートした。結果は次のとおりであった。

ファイル名サイズフォント
游明朝-Word.pdf334KBスタティック
游明朝-Writer.pdf61KBスタティック
NotoSerif-Word.pdf3,935KBバリアブル
NotoSerif-Writer.pdf599KBバリアブル
源ノ明朝-Writer.pdf68KBスタティック

ファイル名中のフォント名 NotoSerifは「Noto Serif JP」を示す。Wordは「Microsoft Word 2016」によるPDF化を示す。Writerは「LibreOffice Writer 25.2.5.2」によるPDF化を示す。スタティックは「バリアブルフォントでない従来のフォント」を言う。源ノ明朝のみOTFフォント、あとはTTFフォント。

フォントが違う以外はすべて同じ内容のPDF文書なのだが、NotoSerif-Word.pdfの 3,935KBは游明朝-Writer.pdfの 61KBの 64倍もある。また、NotoSerif-Writer.pdfの 599KBは同じ内容のフォントである源ノ明朝-Writer.pdfの 68KBの 8倍以上ある。バリアブルフォントはPDF化には向かないようだ。

参考までに、Adobe Acrobat Readerの「文書のプロパティ」によると、各ファイルに埋め込まれているフォントの種類は次のように表示される。

ファイル名フォントの種類
游明朝-Word.pdfTrueType(CID)
游明朝-Writer.pdfTrueType
NotoSerif-Word.pdfTrueType(CID)
NotoSerif-Writer.pdfType3
源ノ明朝-Writer.pdfType1